ミナミの帝王シリーズ

ミナミの帝王シリーズの映画は、年代を問わず老若男女にオススメできる映画である。なぜなら、社会勉強にもなる上に、この上ない爽快感を得ることができる娯楽作品であるからだ。

あらすじは、至ってシンプル。子供時代は非常に裕福で恵まれていた主人公・萬田銀次郎。しかし、状況は一転し、貧困生活を強いられるようになる。そうしてジェットコースターのような人生を歩んだ銀次郎は、大阪ミナミの高利貸しへと成長するのである。銀次郎は、ただの高利貸しではない。「逃げれば地獄の果てまで取り立てに行く」という言葉が決め台詞なのだが、これが想像以上の迫力なのだ。ヤクザも恐れる高利貸し銀次郎は、次から次へと悪徳業者を凝らしめ、ミナミで活躍する、そんな内容のシリーズ作品だ。

また、主人公の竹内力が非常に渋く素敵なところも見どころである。シリーズを見終えたころには、竹内力の魅力のとりこになる方も多いであろう。この作品が、竹内力の代表作と言われている理由が納得できよう。

では、この闇金物語が、なぜ社会勉強要素を含んでいるのか?実は銀次郎こそが違法な闇金業者であり、犯罪者であるのだが、借金取り立ての際に、法律を持ちだすのだ。それは、民法だけでなく刑法など各種法律を持ちだす。その際に、劇中でも何度も言われているが、法律とは弱い者の見方ではなく、あくまで法律を知っている者の味方をする。この映画を見ることで、知識の重要性や、法律に関する知識そのものや、社会の仕組み、お金の仕組みについてを学ぶことができるのである。学校ではなかなか教わることのできない、社会に出るために重要な事がらを、楽しく学ぶことができるのだ。こういった理由から、社会勉強的な要素を含む映画であるといえるだろう。

続いて、この「ミナミの帝王シリーズ」の爽快感とはどのようなものなのか。
このシリーズは、勧善懲悪が根底の考えとして存在する。よって、悪徳業者は徹底的に銀次郎に潰される。「逃げれば地獄の果てまで取り立てに行く」という決め台詞と共に、とことん潰される。アンパンマンと同様に、「悪者が必ず負けるハッピーエンド」が約束されているのだ。この、銀次郎の勝ち方があまりにも豪快であるため、観る者の気持ちを満足させてくれるのだ。よって、このシリーズの爽快感は、ハッピーエンドが約束されたヒーローもののような爽快感といえる。また、ストーリー展開が非常に単純であるため、老若男女が理解しやすいのも人気の理由なのであろう。

また、構成や雰囲気としては、近年の作品である「闇金ウシジマくん」に非常に似ていると感じる。両作品とも勧善懲悪が基本であり、必ず主人公が悪徳業者を懲らしめるというハッピーエンドが約束されている。異なるのは、主人公が竹内力か、山田孝之か、といったことくらいではないか。といっては言い過ぎかもしれないが、それほどに、類似した作品である。「闇金ウシジマくん」が好きな人は、こちらの「ミナミの帝王シリーズ」も一気に見てしまうことであろう。

最後に、近年、過剰な貸付について金融庁から銀行に対する業務改善の見直しを指摘されています。やはり、お金を借りるなら安心できる金融会社で借りたいものだ。