


アベル&ゴードンが映画をつくるために起こした製作会社の名は"クーラージュ・モナムール(愛する人よ、がんばって)"。長編第1作「アイスバーグ!」は、まだ無名で業界のツテもなく、出品できる映画祭にはどこにでもと小クラス映画祭に参加しつづけるうちに、フランスの大手MK2が着目して「アイスバーグ!」をフランスで一般公開し、続く新作では共同出資による合作として「ルンバ!」を完成している。


「アイスバーグ!」は愛のおとぎ話。
ふとしたことで夫や子供たちとの愛の欠如にきづいたヒロインの物語だが、そこに一転、画家マグリットの世界にも通じる突飛もない飛躍を加え、ヒロインが氷への愛にめざめ、アイスバーグ(氷山)をめざして旅にでるという展開へ。しかもそんな物語を、セリフの助けなしに、ギャグの連続で描いていく、サイレント・タッチ・アクション・コメディーだ。
冒頭で登場するイヌイット女性が次にどこで登場するかがお楽しみだが、ブリュッセル近郊の物語に入って以後、ギャグで物語が展開するのでどのカットも目がはなせない。冷凍室に入ってしまう展開や、無言で無関心な家族の朝食、シーツで悪夢を描いて氷山の形まで見せる姿などの前半から、フランスの港町バルフルールでのタイタニック号(!)とその船長ルネとの出会い、そしていよいよタイタニック号での冒険に旅立つ後半では体技アクション・ギャグをも加味して、全編ギャグが満載だ。
最後に流れる曲は、才人リュレイによる作詞・作曲・歌で、題名は<YOUNIVERSALEBIOUTY>。英語とフランス語をおりまぜ、イヌイットとフランス語の、ほかのどこにもないを意味する"イヌイ"を造語でおりこんでいる。