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全世界が絶賛、笑いと愛のメンツェル映画の最高傑作
「英国王給仕人に乾杯!」はチェコ映画を代表する世界的な巨匠イジー・メンツェルの最新作。
28才の若さで発表した長編デビュー作「厳重に監視された列車」(66)でいきなりアカデミー賞外国語映画賞に輝いて全世界の脚光を浴びた天才監督。「つながれたヒバリ」(69)では完成と同時に公開禁止、20年後に解禁されて89年ベルリン映画祭で最高賞の金熊賞の栄冠、というドラマチックなキャリアの監督だ。
作風は、日本での初登場作品となった「スイート・スイート・ビレッジ」(85、シャンテシネで88年に公開)のように、笑いと愛があふれ、人間を温かく見つめる目が一貫していて世界中に根強いファンが多い。
代表作としてあげられる長編デビュー作「厳重に監視された列車」(66)、「スイート・スイート・ビレッジ」(85)は東京ではシャンテシネの特別企画<メンツエル映画祭>で「英国王給仕人に乾杯!」の日本初公開に先だってそれぞれ1週間特別上映されることになった。(12/6〜「スイート・スイート・ビレッジ」、12/13〜「厳重に監視された列車」。)
そのメンツェルが最も敬愛する人が、ミラン・クンデラ(「存在の耐えられない軽さ」)が“われらの今日の最高の書き手”と賞賛を惜しまなかったチェコの国民的人気作家ボフミル・フラバル(1914-1997)だ。「厳重に監視された列車」、「つながれたヒバリ」の原作者で、日本では殆ど出版されていない、幻の大作家だ。そのフラバルの、欧米では何版も重版されているベストセラーの代表作が<私は英国王に給仕した>だ。原作はソ連圏支配下で出版を禁じられていた71年に書かれ、物語の舞台はナチス・ドイツの占領時代。<英国王に給仕>など、ソ連であれヒトラーであれ、支配者が絶対に許さない、不埒な抵抗精神を明快に表明した題名だ。
主人公ヤンは二人一役で、若いヤンをバルネフ、老ヤンをカイゼルが演じて、二人とも名演。リーザは今やドイツ映画を代表するイェンチ。ナチスへの抵抗をあらわにして死にむかう給仕長は名優フバ。
フラバルとメンツェルの代表作の映画化にチェコ映画界が総力を結集している。映画で初登場の名所の壮麗さ、次々に登場する繊細で官能的な美少女たちが目に焼きつき、ブジェジナのオリジナル曲にドリーブやワグナー、当時の原盤を探し出してのジャズを織り込むぜいたくな音楽が耳に焼きつくだろう。そして、ビールの王国チェコならではの、20世紀現代史をビールで綴る粋な物語展開。目にもおいしい傑作の誕生だ。













