死を覚悟したゴースト・ドッグが、<カモフラ姿のサムライ>とストリートで出会う。「ゴースト・ドッグ、パワーと平等を!」「すべて熟知、マイ・ブラザー」<ウータン・クラン>のRZA(レーザ)が、初の映画音楽を手がけたばかりか、なんと、特別出演までしてノリにノッている映画だ。  

 

RZA(レーザ)
 「デッドマン」の音楽はニール・ヤングだったが、「ゴースト・ドッグ」でジャームッシュが白羽の矢を立てたのはヒップホップの超大物、RZAだ。RZAは日本では<レーザ>と発音。本人は<リーザ>と発音するものの、名前がいくつもあることを楽しむかのように、発音も表記も、THE RZA でもRZA でも、<レーザ>でも<ザ・リーザ>でも<アール・ジー・エー>でも、これまでよく知られている<プリンス・ラキーム>でも、<ボビー・スティール>でもまったく意に介しない。最近はボビー・ディジタルという名でも活動し、ロバート・ディッグスという本名はそれもあるという具合。今をときめく<ウ−タン・クラン>(日本既発売CDは<ウータン・クラン>として2点3枚で、別に、THE RZAとして1枚、ボビー・ディジタルとして1枚、いずれもベストセラー。来日も2回)の創始者でリーダー。

 ストリート・カルチャーとして70年代にニューヨークのブロンクスの若者たちの間で生まれた<ヒップホップ>は<ラップ>を通じて80年代に異常な人気で世界に飛び火した。ソニー・ヴァレリオがお気に入りの<パブリック・エネミー>が登場したのは87年。この映画のヴァレリオが字幕不要のノリでラップしているのはフレイヴァー・フレイヴの<コールド・ランピン・ウイズ・フレイヴァー>で、彼が奇妙な名前の例にあげるのは、スヌープ・(ドギー・)ドッグSNOOP(DOGGY)DOG、アイス・キューブ ICE CUBE、Q・ティップ Q-TIP、メソッド・マン METHOD MANら、いずれもミリオン・セラー級のヒット作をもつ90年代のヒップホップのビッグ・ネームだ。

 RZA本人は映画のラストで迷彩服姿で登場し、その哲人風の存在感で<ヒップホップ界のセロニアス・モンク>と呼ばれるのを十分に納得させるが、普段のRZAは少年のようにおチャメな人。<ニューヨークのシャオリン(少林寺)>と呼ばれるスタッテン島を本拠に、<ウータン・クラン>(メソッド・マン、GZAや、『誰がラッパーを殺したのか?』=小林雅明著・扶桑社99年7月刊=の主要登場人物として詳述されるオール・ダーティー・バスタードら)の現在9名のメイン・メンバーから、2軍3軍まで、一説には総勢300人とも言われるラッパーの集団から次々にスターを生み出しているスゴ腕のプロデューサーでもある。「ゴースト・ドッグ」はRZAの初の長編劇映画音楽だ。


ディスコグラフィー

「ウータン・クラン|燃えよウータン」
 WU-TANG CLAN/ENTER THE WU-TANG (36 CHAMBERS) *bmg bvcp-761
「ウータン・クラン|ウータン・フォーエヴァー」
 WU-TANG FOREVER *bmg bvcp 3116-17
「THE RZA HITS」
 エピック・レコーズ *esca 7368
「RZA AS BOBBY DIGITAL」
 GEE STREET/V2 *gee 100380-2


オリジナル・サウンド・トラック
12月16日リリース予定
ビクターエンタテインメント

オリジナル・サウンド・トラック