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冒頭のコリンヌの夢で引用されるのはジョルジュ・バタイユ(1897-1962)の<眼球譚>がベース。無意味な脱我が救いのない死の限定された反復であり、何の権威にも支えられない脱我が肯定的に生きられるのはただエロティシズムの領域だけだと、精神分析治療をかねてバタイユが匿名で書いたもの。
清掃車のシーンでは第三世界のメッセージが読み上げられる。マルティニック出身の神科医で革命理論家フランツ・ファノン(1925-61)の引用をはじめ、66年に暗殺されたアメリカの黒人解放運動家マルコムX(1925-66)、エンゲルスの<家族・私有財産および国家の起源>、アメリカの人類学者L・H・モーガン(1818-81)の<古代社会>などなどからの引用。しかし引用とは言うが、これほど声高らかに劇映画でこれらのテキストが読み上げられたのは映画史はじまって以来ではなかろうか。
FLSOの隊長カルフォンが森の中で朗唱するのは、悪の天使マルドロールが時空を変幻自在にとびまわる長編散文詩<マルドロールの歌>より“老いたる海よ”。24歳の若さで死んだロートレアモン(1846-70)の22歳の作品である。 |
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