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JLG/自画像






 撮影のイヴ・プリガンは『ダイヤモンド・コネクション』(82、セルジオ・ベルゴンゼリ)など撮影監督としての仕事だけでなく、アラン・カヴァリエの『Vies』(00)では出演もしているスイスの映画人。録音のピエール=アラン・ベスはフランソワ・ミュジーの助手として『映画というささやかな商売の栄華と衰退』「ヌーヴェルヴァーグ」でゴダール映画に参加し、「新ドイツ零年」でチーフとなり、「ゴダールの決別」の後、「JLG/自画像」で初めて単独でゴダールの音を担当した。トニー・ガトリフ「ガスパール/君と過ごした季節」(90)やフィリップ・ガレル「愛の誕生」(93)などでも活躍している。

 自画像の主人公JLG(ジー・エル・ジェー)はゴダール自身。常に世界の注目を浴び、カンヌ映画祭では記者会見を開くだけでもトップ・ジャーナリズムがはせ参じる天才ゴダールとはがらりと違う、“ムッシュー・ジャン”や“ジャノ”と呼ばれるゴダールが日常生活の顔をさらけだし、スイスのロールの自宅や、プロダクションのペリフェリアのアトリエが初めて描かれる。

 映画の後半でCNCが突然立ち入り査察に訪れる。CNCはフランスの国立映画局で、思想調査をするというのはもちろんフィクションだが、3人の査察官の顔ぶれが面白い。チーフは<ポジティフ>誌や<カンゼーヌ・リテレール>誌の批評家で、ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレについての著書も出しているルイ・セガン。JLGの本棚を調べる査察官ベルナールは、映画史家で、<ニコラス・レイ―ある反逆者の肖像>(吉村和明訳、キネマ旬報社)など著書も多数あるベルナール・エイゼンシッツで、ゴダール作品では『子供たちはロシア風に遊ぶ』に引き続いての出演だ。ジャック・リヴェット(『アウト・ワン』(70))、ジャン・ユスターシュ(「ママと娼婦」(73))、ヴィム・ヴェンダース(「ベルリン天使の歌」(87))、アモス・ギタイ(『ベルリン−エルサレム』(89)、『ゴーレム』(92))、オタール・イオセリアーニ(「素敵な歌と舟はゆく」(99)、『LUNDI MATIN』(02))などにも特別出演している。映画やビデオを査察するアンドレは、アンドレ・S・ラバルト。<カイエ・デュ・シネマ>誌で50年代からの盟友で、ゴダール映画出演は「勝手にしやがれ」、「女と男のいる舗道」、「ロゴパグ」、「新ドイツ零年」、『子供たちはロシア風に遊ぶ』など多数。『現代の映画作家』シリーズ、『美しき妖精シルヴィ・ギエムの肖像』、『ノイマイヤーの世界』『フォーサイス・イン・ニューヨーク』などのドキュメンタリーの映画作家でもある。

 アトリエを訪れて編集助手を志願する盲目の女性役は、アラン・タネールの「ローズヒルの女」(89)やアンヌ=マリー・ミエヴィルの『ルー・ナ・パ・ディ・ノン』(94)に出演しているジュヌヴィエーヴ・パスキエ。森の中で朗々とラテン語でオウィディウスの<変身物語>を詠む老女は、ジョゼフ・ロージーの「パリの灯は遠く」(76)、フェリーニの「そして船は行く」(84)、ジェイムズ・アイヴォリーの「ジェファソン・イン・パリ/若き大統領の恋」(95)、パスカル・ボニゼールの『アンコール』(96)など多くの映画で活躍しているエリザベート・カザ。


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