for ever godard
WHO'S WHO


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WHOS WHO
予告編
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伴映


JLG/自画像






 「JLG/自画像」には、ゴダールの手書きの創作ノートに書き込まれた、<霜月>や<霧月>といったフランス革命の共和暦の月の名とともに、文学や哲学や、<アフター・ザ・レクイエム>など音楽からの引用もさまざまな形で登場する。すべては映画の流れにのっての登場だが、原典との関連がひそんでいる場合もありそうだ。

 創作ノートで登場する<存在と時間>、<どこにも辿りつかない道>(邦訳では<杣径(そまみち)>のフランス語題)はドイツの実存主義哲学者マルティン・ハイデガーの著書。<選ばれし者の選択>(邦訳は<選ばれた女たちの選択>)は、「ゴダールの決別」の原作となった<アンフィトリヨン38>の作者でもあるフランスの作家ジャン・ジロドゥーの戯曲。<われらの戦前>は、第2次大戦中にドイツに協力し解放後に死刑になったフランスの作家ロベール・ブラジヤックの小説。

 アラゴンの<断腸詩集>、ウィトゲンシュタインの<確実性の問題>、ディドロの<盲人書簡>が読まれるシーンでは、ゴダールのステレオ論が展開し、2台のビデオモニターを前にした暗闇では、ナチの“水晶の夜”と”煙の霧”に思いをめぐらせて、アンリ・アトランの<結晶と煙のあいだ>の一節が読まれる。寝室で、“鮫のおとぎ話”のあと、ゴダールはSF作家A.E.ヴァン・ヴォークトの<非Aの傀儡>を読んでコージブスキーの一般意味論を考え、“椅子は単なる椅子ではない”と思い及ぶ。

 湖を散歩して両岸の向こう側にあるフランスを指さすときの言葉はヘーゲルの<精神現象学>の序文から。突然辞めると言い出した若い家政婦ブリジットを「アドリエンヌ」と呼んで、読んで聞かせるのは、フランスの作家ジュリアン・グリーンの小説<アドリエンヌ・ムジュラ>の終章。“トゥレが愛した夕べのひととき…”は、ジョルジュ・ベルナノスの<悪魔の陽のもとに>の<ムーシェットの物語>のはじまりの1節。同じシーンで、ベルナノス原作のブレッソンの映画「田舎司祭の日記」の音が聞こえる。

 ネガ(否定的なもの)こそ作らねばならないというカフカの言葉に続いて盲目の編集助手が登場し、「ゴダールの決別」のフィルムで編集作業をしながら、立方体を想像する話がディドロの<盲人書簡>から引用され、彼女が手で編集台に触れる瞬間には、モーリス・メルロ=ポンティの未完の遺著<見えるものと見えないもの>の一節がそのまま引用され、編集台の上で生きもののように走るフィルムから風景に、ゴダールの映像論が展開する。
ゴダールがテニスをするシーンで登場する“過去は死んでいない、過去ですらない”は、ウィリアム・フォークナーの<尼僧への鎮魂歌>からの言葉。
森のなかで老女がラテン語で朗読しているのは、紀元前後を生きた詩人オウィディウスの代表作<変身物語>の結句。原典の“ローマ”が“アメリカ”に置き換えられて語られる。


ウィークエンド フォーエヴァー・モーツアルト

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