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主人公はゴダールその人であり、ゴダールが生活するスイスのレマン湖畔のロールの自宅やアトリエ、そして幼い頃から親しんだ風景がゴダールの内心を示すようにたちあがってくる。
アトリエの一角におかれた少年の写真に、喪に服していた思い出を語るゴダール。制作スタッフかららしい電話に安易な文化批判の映画にするのをなだめて考えにふけるゴダールは、アラゴンの<断腸詩集>をとりだして韻を踏む試みから、ウィトゲンシュタインの<確実性の問題>の盲者と手の一節を実際に映像で示し、ふたつの三角形で投射論を図解してダビデの星を描き、ナチスとイスラエル、そしてパレスチナの現代史に至るステレオ論を展開する。イマージュの結びつきについてのルヴェルディの論考から、ナチスの水晶と霧に思いをはせ、音と映像の結びつきの実験が画面上に現出する。
岸辺を散歩するゴダールの耳に、愛する映画作家たちの映画の音がやまない。スイスにいながら湖の両岸はフランスだ。否定すべきものを正面に見据えてそこにとどまると、ヘーゲルの言葉を引いて、キングダム・オブ・フランスと指さすゴダール。
若い家政婦ブリジットが辞めるという。悪夢のように突然、フランスの国立映画局から査察官が立ち入り捜査にやってくる。風景の中に国がある。フランツ・カフカは、ポジは生まれながらにだれにでもある、ネガは作らなければならないと言った。破産同然のアトリエにとつぜん盲目の女性が訪れてきて、編集助手を志願してくる・・・。 |
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