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1980年ローマ生まれで、アテネの名門のギリシャ国立劇場出身。ギリシャ語、イタリア語、英語、フランス語を話す。"ヴァイオリン奏きのニコス"役のヨルゴス・アルメニスが主宰する<ニュー・グリーク・シアター>を拠点に、D・カタリフォスとG・ダリアニスの"ワークショップ"のセミナーや、国立劇場主催のサマー・シアター・アカデミーにも参加するなど、舞台で意欲的に活躍する新進女優で、長編映画は「エレニの旅」が初出演で初主演だ。
エレニ役は新人でと決めていたアンゲロプロス監督がオーディションで会った百人近くの候補のなかで、アレクサンドラは、実は、あまりにもたよりない印象ですぐに落選しかけたが、そのたよりなさ、そしてあどけなさが日がたつにつれて強く印象に残り、ついにアレクサンドラが選ばれた。
撮影に入って、スタッフが期待と不安で彼女を見守った。ヴェテラン女優でさえ、泣くシーンは難しいものだ。しかし脚本には、エレニが涙するシーンが何度もあり、それぞれがちがう泣きで、映画の展開の柱になっている。家長で養父のスピロスを恐れて泣き、産んだ我が子たちに近づけない辛さに泣き、その我が子たちにママと呼ばれて嬉しさで泣き、村人たちの酷い復讐のショックで泣き、洪水に襲われた家を捨て去る思いに泣き、愛するアレクシスのアメリカへの出発で愛に泣き、幻聴に襲われて思い出に泣き、そしてラストシーンが訪れる。
エレニ役は、アンゲロプロスが、1998年になくなった母カテリナに捧げたオマージュだ。「シテール島への船出」での老妻カテリナ役(ドーラ・ヴォラナキ)も母をモデルとしていたが、アレクサンドラとドーラには重なるイメージがある。
そんな難役をアレクサンドラが、撮影が進むほどに、芯の強さを次第次第に輝かせ、しかもあどけなさを一貫して失わないのにスタッフのほうが舌を巻いた。 役としては、音楽は、アコーデオンの名手であるアレクシスの領分だが、素顔のアレクサンドラは、実は、クラシック・ギターもかなりの腕前だそうだ。
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1982年アテネ生まれ。ギリシャ国立劇場に在籍の頃から、ヨルゴス・アルメニスの<ニュー・グリーク・シアター>で演技を学んだ。ギリシャ語、英語、イタリア語を話す。10代の頃からアイドル・スターで、今もテレビに出ると熱狂的な人気が確認されるアイドル。しかし、アンゲロプロス映画ではそうした面はすべて無視されて単なる新人扱いだ。
エレニを宿命的に愛し、宿命的に愛される男。エレニをひっぱっていくほどの力はないのに、父の死を招いてでも彼女を愛しぬき、当時のすべてのギリシャ人と同様、アメリカに子供のようにあこがれる。あどけなさと子供っぽさは、二人の主人公のキーワードかもしれない。
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花嫁姿のエレニを救い、アレクシスのアコーデオンの音色にほれこむニコスは、スミルナの敗戦でテサロニキに来た難民。1936年の日々に、音楽と自由を愛して左翼とみなされ非業の死を遂げていく。
ヨルゴス・アルメニスは自らの<ニュー・グリーク・シアター>で俳優・演出家・芸術監督・座付作者として活躍する演劇人でイオアニナ出身。67年にギリシャ芸術劇場に入り、カロロス・クーンの薫陶のもとで20年以上にわたって古典劇から現代劇まで数々の役をこなして活躍した。戯曲も7編あり、4作の一幕物、2作の児童劇がある。テレビの脚本も書き、シリーズもので主演しては人気を博している。
アンゲロプロス映画には初めてのお目見えだが、パンテリウス・ヴルガリスの『It's a Long Road』でテサロニキ映画祭の主演男優賞を受賞している。
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家長として、<ニューオデッサ>の長として絶対の力をふるうスピロス(ちなみにスピロスはテオの実父の名前でもあり、「シテール島への船出」の老主人公の名前でもある)を演じるのは、アンゲロプロス映画の数々の悪役のなかでも最も怖い記憶にむすびつく、「霧の中の風景」の運転手を演じたコロヴォスだ。
1964年生まれで70年代にアテネでシェークスピアやギリシャ古典劇で活躍をはじめ、映画にも数多く出演するいっぽう、作家としても才能を発揮し、95年に出版された小説《Remember Father》は10版を重ね、シドニー大学の現代ギリシャ文学カリキュラムにも含まれている。詩の論文もあり、バイロン芸術祭のディレクターをつとめ、ギリシャ俳優協会の会長でもある。
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未来を予見し不吉なことまでも口にしてしまうのが神話のカッサンドラだが、その名の役を、「旅芸人の記録」のエレクトラいらい、「狩人」の大佐夫人、「アレクサンダー大王」の大王の娘、「霧の中の風景」の旅芸人、「ユリシーズの瞳」で親戚のエヴァおばさんと数多くのアンゲロプロス映画に出演してきたエヴァ・コタマニドゥが演じる。彼女の演劇での活躍もまたギリシャ悲劇からベケット、イヨネスコ、ピランデルロなどの現代劇まで幅広く、超一流の舞台女優だ。(写真左)
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「アレクサンダー大王」で通訳兼ガイド役でアンゲロプロス映画に初登場したヤナトスは小アジア出身のギリシャ人で、ギリシャ語はもちろんトルコ語、英語、仏語、伊語、なんでも闊達に話す天才。「シテール島への船出」の国際水域の船長、「蜂の旅人」の写真家、「霧の中の風景」で子供たちを警察に通告する駅長、「こうのとり、たちずさんで」で運河の野菜商、「永遠と一日」の<魂のバス>の車掌。ヤナトスが登場すると何か悪いことが起こりそうな予感を漂わせる。
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「エレニの旅」は『再現』いらいのアンゲロプロスの女性映画だが、『再現』のトゥーラの役名がエレニだったのは偶然ではないだろう。『再現』で抜擢された頃は本職の裁縫師を続けて、『1936年の日々』の娼婦役、「アレクサンダー大王」で共産村の農婦、「霧の中の風景」では『再現』のエレニとして特別出演したが、以後は女優に転業している。
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