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アルチュールとのコンビでビリー・ザ・キッドごっこや闘牛士ごっこを即興味ホカホカに演じるサミー・フレイのフランツ。ゴダールの人物紹介によれば、オディールは一次元的なアルチュールと二次元的なフランツの間で揺れる。≪フランツが抱えている問題を方程式に投入すれば、それは二次元でかえってくる。彼の偉大な兄たち、ル・シッドや、ロレンザッチオと同じだ。……フランツはオディールに、バスティーユ辺りの交差点で出会った。かつてブルトンがナジャに、非現実と現実の交差点で出会ったように……。フランツはノヴァーリスの登場人物たちと同様に、いつまでも、現実を自分の欲望と取り違えていくだろう。この世(=世界)が夢になる時に、夢がこの世(=世界)になる、と信じて。こんな人間を演じるにはサミー・フレイが必要だった。≫

98年<アニエス b.は映画が大好き>で初めて来日したサミー・フレイは、気品と美貌に風格をたたえて、だれもが貴公子と呼ぶのを納得させた。1937年10月13日パリ生まれ。演劇界の大御所ルネ・シモンのもとで17才で舞台デビューし、映画にも19才で「不良の掟」(56、ロベール・オッセン)で初出演。「真実」(60、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー)で主役に抜擢され、共演のブリジット・バルドーの自殺未遂事件もあって全世界から注目されたが、深い知性と演技力は演劇界でも映画界でも超一流と認められた。≪サミーは、既に今そうだと思うが、必ずや偉大な俳優になる人だ≫とゴダールは書いている。主な日本公開作は、「5時から7時までのクレオ」(61、アニエス・ヴァルダ)、「新・七つの大罪」(61、ロジェ・ヴァディム篇「傲慢の罪」)、「ポリー・マグーお前は誰だ」(65、ウィリアム・クライン)、「夕なぎ」(72、クロード・ソーテ)、「スウィート・ムービー」(74、ドゥシャン・マカヴェイエフ)、「彼女と彼たち なぜいけないの」(77、コリーヌ・セロー)、「死への逃避行」(83、クロード・ミレール)、「リトル・ドラマー・ガール」(84、ジョージ・ロイ・ヒル)、「家族生活」(85、ジャック・ドワイヨン)、「ブラック・ウィドー」(87、ボブ・ラフェルソン)、「季節のはざまで」(93、ダニエル・シュミット)、「ソフィー・マルソーの三銃士」(94、ベルトラン・タヴェルニエ)。近年は演劇中心に活動し、映画では」『アルトーとの対話』(94、ジェラール・モルディヤ)や、『俳優』(00、ベルトラン・ブリエ) などがある。
 

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